長引くセールとブランド価値

8月に入って、様々なブランドの秋冬が立ち上がっているにも関わらず、
まだ春夏最終セールのお知らせが送られてくる。


例年に比べセールが長引いているし、しかも値引率が半端じゃない。
今まで50%引きをしたことがないようなブランドでも70%引きをしていた。


ブランド名を見ていて思ったのはアウトレットを展開してない
ブランドの名前が多いということ。アウトレットを展開しているブランドでは
たとえ在庫を抱えたとしてもアウトレットで売ってしまえばよいため、
きっと最終セールなどには参加しないのではないだろうか。


アウトレットは少し時期をずらして安く販売することで、ブランド価値の低下
を最小限にとどめながら在庫を減らすことが出来るというシステムだと思う。


このアウトレットが出来ないブランド(規模的には小中規模くらいか)は
店頭で売り切る必要があるため、ブランド顧客から目に見える形で
大きな値引きをする必要が生まれる。これは顧客にとってはブランド価値の
低下を感じるものではないだろうか。


もちろんブランド価値は価格だけではないものの、一般にハイブランド
呼ばれるブランドで今まで5万円だったものが1万円になって売られていたら、
顧客は「どうなってんの?」と思うのではないだろうか。少なくとも私は
このように感じる部分がある。


在庫を減らそうとするとブランドの価値が落ちて行き、ブランド価値を保とう
とすると在庫はなかなか減っていかない。ジレンマだと思う。


この不景気でアパレル業界全体が苦しんでいるようだが、その中で一番苦しんで
いるのは中小規模のアパレルブランドなのかもしれない。